公務員試験の面接対策では、ChatGPTを使い倒せ!
近頃よく耳にするChatGPT。
公務員試験の面接対策に使えないかと思いついたあなたのために、ChatGPTにどんな指示を出せば、ChatGPTを最大限活用できるのか解説します。
説明を書き連ねるよりも、例を見てもらった方が早いと思うので、早速指示の例を示します。なお、本記事ではChatGPT-4oを使って説明していきますが、どの生成AIを使う場合でも、基本的な指示の方法は変わりません。
ちなみに、以下に示す質問とまったく同じ質問をChatGPT-4oに投げても、まったく同じ回答は得られません。それは、ChatGPT-4oが、各ユーザーに合わせて成長を遂げていくからです。その点、ご留意ください。
また、ChatGPTを使って面接対策することのメリットやデメリットは、以下の記事でまとめています。
具体的なChatGPT活用事例の紹介!
さて、ChatGPTに指示するときには、やみくもに指示を出すのではなく、ChatGPTが最大限の力を発揮できるような指示を出す必要があります。
たとえば、ChatGPTに、自己PRを考えてもらう場合には、自分がどんな人物なのかについての情報を与えつつ、以下のように質問してみましょう。
# 依頼:
あなたは公務員試験の面接を専門とするプロのキャリアコンサルタントです。これから、次に示す「# 背景」を持つ公務員志望者が、面接試験において「# 質問」にどのように回答すればいいか教えてあげてください。回答の長さは、「# 時間」で話すことのできる長さとします。
# 質問:
あなたの自己PRをしてください
# 背景:
・小学校から高校まで野球をしていて、ポジションはキャッチャーだった
・実家では、認知症の祖父の介護を手伝っていたことがある
・大学は経済学部に入り、飲食店でバイトをしていた
# 時間:
1分程度
この指示に対し、ChatGPTからは次のような回答が返ってきました。
面接官: あなたの自己PRをしてください。
志望者:
私は小学校から高校までの10年間、野球部に所属し、キャッチャーとしてチームを支えてきました。キャッチャーというポジションは、リーダーシップを発揮し、チームメイトとのコミュニケーションが不可欠です。この経験を通じて、状況を的確に判断し、チーム全体をまとめる力を養いました。
また、実家では認知症の祖父の介護を手伝っていました。この経験から、高齢者に対する理解と共感を深め、忍耐力や責任感を培いました。
大学では経済学部で学びながら、飲食店でアルバイトをしていました。経済の知識を実際の業務に活かし、効率的な運営やお客様へのサービス向上を図りました。これらの経験を通じて、柔軟な対応力と問題解決能力を身につけました。
これらの経験から培ったリーダーシップ、共感力、そして柔軟な対応力を活かし、貴庁の業務に貢献したいと考えています。
この回答はどうでしょうか?
指示の中で「背景」に書いたことを、すべて回答に盛り込んでいるせいで、話にまとまりがありませんね。
1分で自己PRをするのであれば、「背景」に書いた3つのうち、1つか2つに絞るべきです。
また、もう少し具体的なエピソードがあったほうがいいです。エピソードは、嘘を言って面接官に突っ込まれると困ってしまうので、こちらからChatGPTに実際のエピソードを教えてあげる必要があります。
そこで、次のように指示を追加してみます。
面接官: あなたの自己PRをしてください?
志望者:
私は小学校から高校までの10年間、野球を続けてきました。高校2年生の時、元々ピッチャーだった私がキャッチャーにポジションを変更することになりました。ピッチャーとしてチームのエースであることに誇りを持っていたので、正直最初は悔しい思いをしました。しかし、キャッチャーとしてプレーする中で、チーム全体の状況を把握し、他の選手を支えることの大切さを学びました。この経験を通じて、自分の役割を理解し、チームのために最善を尽くす姿勢を身につけました。
大学では経済学部に所属し、特に行政の財政や予算について深く学びました。授業で学んだ知識を元に、地方自治体の財政計画についてのレポートを書き、具体的な数値を分析しながら、効率的な予算配分の重要性を理解しました。実際に地方自治体の財政担当者の方々にインタビューを行い、現場の課題や工夫についても学ぶ機会を得ました。この経験から、公共の利益を考えた財政運営の重要性を強く感じました。
これらの経験を通じて培ったリーダーシップとチームワークの精神、そして財政に関する知識を活かし、貴庁の一員として社会に貢献していきたいと考えています。
最初の回答よりもだいぶ改善しました。回答の具体性が高まり、興味深い内容になっています。
もし、上記の回答では話を勝手にふくらめすぎていて、財政や予算について面接官が食いついてきたら嫌だ感じた場合には、次のように指示を出します。
面接官: あなたの自己PRをしてください?
志望者:
私は小学校から高校までの10年間、野球を続けてきました。高校2年生の時、元々ピッチャーだった私がキャッチャーにポジションを変更することになりました。ピッチャーとしてチームのエースであることに誇りを持っていたので、正直最初は悔しい思いをしました。しかし、キャッチャーとしてプレーする中で、チーム全体の状況を把握し、他の選手を支えることの大切さを学びました。この経験を通じて、自分の役割を理解し、チームのために最善を尽くす姿勢を身につけました。
大学では経済学部に所属し、特に公共政策と地域経済について学びました。授業では地域の経済発展に関するケーススタディを行い、成功事例や失敗事例を通じて、地域経済の活性化に向けた政策の重要性を理解しました。また、ゼミでは地方自治体の政策分析を行い、具体的な政策提案を考えることを通じて、理論と実践を結びつける力を養いました。
これらの経験を通じて培ったリーダーシップとチームワークの精神、そして公共政策に関する知識を活かし、貴庁の一員として地域社会の発展に貢献していきたいと考えています。
これの方がまだよさそうですね。
経済学部の話をもっと洗練したい場合には、実際にどんなタイトルの卒論を書き、卒論を書くためにどんな調査をしたのかなど、具体的なエピソードをChatGPTに与えるとよいでしょう。
どんな情報をChatGPTに提供すれば、回答がより洗練されるのか、次のようにChatGPT自身に聞いてみるのも有意義です。
より具体性を持たせ、魅力的な回答にするためには、次のような情報を提供していただけると助かります。
- 大学での具体的な学びやプロジェクト:
- 公共政策や地域経済に関する具体的な授業内容や課題。
- 特に興味を持ったトピックやテーマ。
- ゼミや研究活動で取り組んだプロジェクトや論文。
- インターンシップや実務経験:
- 地方自治体や企業でのインターンシップ経験があれば、その内容や学び。
- ボランティア活動やプロジェクトに参加した経験。
- 学外活動やサークル活動:
- 大学でのクラブ活動やサークルでの役割。
- リーダーシップを発揮した経験やチームで達成した成果。
- 具体的なエピソードや成果:
-
- 自分が主体的に取り組んだプロジェクトでの具体的なエピソード。
- 成果として得たものや、それに対するフィードバック。
これらの情報を基に、より具体的で魅力的な回答を作成することができます。提供していただける範囲で詳しく教えていただければと思います。
これらの情報を提供すれば、ChatGPTがよりよい回答を導き出してくれるようです。
まとめ&注意点
いかがでしたでしょうか?
ChatGPTを使って面接対策をすることの意義が伝わったことと思います。
先に例示したChatGPTに投げかける最初の指示のうち、「# 質問」の部分を書き換えれば、さまざまな質問に対する回答をChatGPTに考えさせることができます。
ただし、あくまでもChatGPTの回答はChatGPTの回答にすぎないので、その回答を土台にして、自分の言葉で表現し直すことが重要です。
面接官は、借り物の言葉をしゃべっている人物をすぐに見抜きます。この点は十分に注意しましょう。
そして、本番の面接では、生身の人間を相手にします。話している内容だけではなく、話し方や表情なども評価の対象になります。
面接対策をする上では、どうしても生身の人間を相手にした模擬面接で練習を重ねることが欠かせません。「自分の言いたいこと」「言おうとしていること」が生身の相手に伝わるかどうかは、実際に対話してみなければわからないのです。
どれだけ上手にChatGPTを活用したとしても、生身の人間を相手にした模擬面接は必要不可欠です。
私は、S県首席合格者として、ココナラで公務員試験の面接指導や、ES作成支援を行っています。ぜひご利用ください。
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