★ J1からビリで降格した場合、1年で昇格する確率は15%
★ J1からビリ2で降格した場合、1年で昇格する確率は35%
★ J1からビリ3で降格した場合、1年で昇格する確率は75%
「1年でJ1復帰」を果たしたチーム
早速J2に降格したチームの一覧表を見てみましょう。赤字で表記しているチームが1年で昇格したチームです。
1999年にJリーグが2部化し、J2が誕生して以来、毎年2チームまたは3チームがJ1からJ2へと降格しました(2004年と2020年を除く)。降格してからJ2に定着してしまうチームもあれば、1年でJ1に復帰するチームもあります。
「J2から昇格するよりも、J1で残留するほうが簡単」なんて噂もあるように、一度J2に落ちてしまったらJ1に復帰するのは難しいというイメージがあります。
しかし実際には、今までにJ2に降格した52チームのうち、実に19チームが1年でJ1に復帰しているのです。確率にして36.5%ですので、3チームに1チームは1年でJ1に復帰したということになります。
さらに細かく分析するために、J2降格が決まった年のJ1での順位に着目してみます。すると、ビリで降格したチーム、ビリ2で降格したチーム、ビリ3で降格したチームで、1年でJ1に昇格する確率が大きく変わることが明らかになりました。
ビリで降格したチームが1年で昇格する確率が15%(20チーム中3チーム)であるのに対し、ビリ3で惜しくもJ2へと降格したチームは、1年で昇格する確率が75%(12チーム中9チーム)もあります。驚きの差です。ちなみに、2007年から2020年まで、ビリで降格したチームが1年でJ1復帰したことは一度もありません。
なお、1年でのJ1復帰を成し遂げた回数の最も多いクラブは、柏レイソルです。柏レイソルはJ2に降格したことが3回ありますが、3回とも1年でのJ1復帰を成し遂げました。
J2降格チームがJ1昇格までに要した年数
ついでに、昇格までにかかった年数付きの表も見てみましょう。各チームの横にある数字が、J1昇格までに要した年数です。「~」がついているチームは、現在もJ2に在籍しており、記録更新中です。
1年でJ1復帰するチームを除けば、ビリでJ2に降格した場合でも、ビリ2でJ2に降格した場合でも、J1に昇格するまでに要する年数はそれほど変わらないようです。
もっとも長い年月を経てJ1復帰を果たしたのは横浜FCで、実に12年を要しました。今後、東京ヴェルディ、ジェフ千葉、京都パープルサンガあたりがJ1復帰を果たすと、この記録を更新する可能性があります。
また、降格したチームの3分の1は1年でのJ1昇格を果たす一方、2年でJ1昇格を果たすチームがかなり少ないことがわかります。2018年までに降格した50チームのうち、たったの6チームしか2年で昇格したチームはありません。
そう考えると、J2に降格した場合、1年でJ1復帰を果たさなければJ1復帰は遠のいてしまうといえます。今回の分析で「1年でのJ1復帰」の大切さがよくわかりました。
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