★ 総人件費上位5チームは、岐阜、岩手、鹿児島、長野、熊本
★ 総人件費下位5チームは、YS横浜、八戸、鳥取、福島、沼津
★ コスパ上位5チームは、YS横浜、鳥取、八戸、相模原、秋田
★ コスパ下位5チームは、盛岡、讃岐、岐阜、鹿児島、熊本
J3コスパ徹底分析(2020)
1位ブラウブリッツ秋田と2位SC相模原のJ2昇格で幕を閉じた2020年J3リーグ。今回は、公式に発表された各チームの人件費(選手の年俸だけでなく監督などのスタッフの人件費も含む)と年間勝点の関係を分析してみようと思います。
早速、総人件費と年間勝点で各チームをプロットした図を見てみましょう。右下ほどコスパが高く、左上ほどコスパが低いです。ガンバ大阪U-23とセレッソ大阪U-23は、U-23チーム単体での人件費が公表されていないため、今回の分析からは除外しています。
次に、年間勝点あたりの総人件費(総人件費÷勝点)を算出することによって、各チームのコスパを判断してみようと思います。コスパ上位5チームは黄色で、コスパ下位5チームは水色で表示しています。
コスパトップ3は、YS横浜、鳥取、八戸ですが、いずれのチームもJ2昇格を果たせませんでした。YS横浜と八戸の2チームは順位が良いわけではないですが、総人件費が安いために上位にランクインしています。J3チームの平均総人件費が1.9億円であるのに対し、八戸は0.9億、YS横浜に至っては0.5億円という総人件費です。
昇格した秋田と相模原も、総人件費は平均以下で、効率的なチーム運営をしていたことがわかります。
一方、コスパが悪かったチームのトップ3は、盛岡、讃岐、岐阜となりました。盛岡と讃岐は勝点1を稼ぐのに、人件費600万円以上がかかった計算になります。岐阜はJ3の中で人件費がもっとも高かった割に、成績が振るいませんでした。
J3の「優勝賞金」と「均等配分金」
J3の優勝賞金は、500万円という少なさです。J1の優勝賞金3億円に比べて、J2の優勝賞金2,000万円というのも驚愕ですが、J3の優勝賞金はそれよりさらに低い500万円です。
さらに2020年はコロナの影響でJリーグ全体の興行収入が減ってしまったため、すべてのカテゴリーで優勝賞金が従来の半分に減らされてしまいました。J3では500万円から250万円になった計算です。
この優勝賞金よりも各チームがあてにしている収入に「均等配分金」というものがあります。J3チームがもらえる均等配分金は各チーム3,000万円です。優勝賞金よりもよっぽど大きい額です。
J1の均等配分金は各チーム3.5億円、J2の均等配分金は各チーム1.5億円ですので、この額にもカテゴリーによって大きな格差があります。J3チームがもらっているのは、J2チームが毎年もらっている均等配分金の5分の1でしかありません。J3チームがJ2に定着するのがいかに大変なことなのかがわかります。
ちなみに、2020年のJ2でもっとも総人件費が低かったのはザスパクサツ群馬で2.4億円です。岐阜、岩手、鹿児島、長野は、J3チームでありながらザスパクサツよりも高い総人件費を支払っていることになります。
また、J3で勝点1を稼ぐのに必要な人件費が379万円であるのに対し、J2で勝点1を稼ぐのに必要な人件費は1,271万円です。ここには約3.5倍もの差があります。単純計算すると、J2選手の年俸は、J3選手の3.5倍ほどということになります。だからなにってわけでもないですが。
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