【2020年J2版】最もコスパのいいチームはどこ？人件費と勝点の関係

１位徳島ヴォルティスと２位アビスパ福岡のJ1昇格で幕を閉じた2020年J2リーグ。今回は、公式に発表された各チームの人件費（選手の年俸だけでなく監督などのスタッフの人件費も含む）と年間勝点の関係を分析してみようと思います。果たして、もっともコスパのいいチーム、もっともコスパの悪いチームはどこなのでしょうか。

全チームの概要

2020年　J2　総人件費と勝点の関係

早速、総人件費と年間勝点で各チームをプロットした図を見てみます。人件費トップ３は、千葉、磐田、長崎ですが、いずれのチームもJ1昇格を果たせませんでした。昇格した徳島と福岡は、両チームとも人件費が10億円以下で、効率的なチーム運営をしていたことがわかります。

では、年間勝点あたりの総人件費（総人件費÷勝点）を算出することによって、各チームのコスパを判断してみようと思います。コスパ上位５チームは黄色で、コスパ下位５チームは水色で表示しています。

2020年Ｊ２リーグ　総人件費と勝点の関係

コスパのよかったチーム

１番コスパがよかったのは、もっとも総人件費の低かったザスパクサツ群馬です。全22チームの総人件費の平均値が7.3億円ですが、群馬の総人件費は2.4億円ですので、平均の3分の１です。ビリ３という順位は妥当と言えるでしょうか。１勝点あたりに要した人件費は494万円でした。

２番目にコスパがよかったのは、年間順位５位のギラヴァンツ北九州です。総人件費は22チーム中5位とかなり低いのにもかかわらず、年間５位というのは立派な成績です。J2得点ランキング２位に輝いたディサロ燦シルヴァーノが立役者となりました。

コスパの悪かったチーム

さて、それではコスパの悪かったチームを見ていきましょう。コスパが最悪だったのは、ジェフユナイテッド千葉です。総人件費はもっとも高いのですが、年間で負け越す結果となりました。複数人の外国人選手に加え、佐藤寿人や増嶋竜也などの経験豊富なプレーヤーの年俸がかさんだと考えられます。2019年も負け越しでしたが、Jリーグオリジナル10ということもあって、負け越してもやっていけるだけの資金力があるようです。

千葉につづいてコスパが悪かったのは大宮アルディージャです。４番目に高い総人件費ながら、年間で負け越してしまいました。イバをはじめとする外国人選手の人件費がかさんだようです。

Ｊ２優勝賞金など

J2の優勝賞金はもともと2,000万円だったのが、2020年はコロナの影響で半額の1,000万円に引き下げられました。2020年のJ1の優勝賞金が1.5億円ですから、その15分の１ということになります。J1とJ2で大きな格差があることがわかります。

2020年　Ｊ２優勝賞金

また、J1チームと同様にJ2にも「均等配分金」の制度があり、各チームは順位にかかわらず1.5億円をJリーグ運営側からもらうことができます。J1チームの均等配分金は3.5億円ですから、こちらには優勝賞金ほどの格差はありません。

さて、本ページでは総人件費と年間勝点だけに着目してコスパを論じてきましたが、もちろんチーム運営のコスパに関わる指標はこれ以外にもあります。広告収入やグッズ収入などのやりくりで他チームとの差別化を図ることも可能です。総人件費と年間勝点の関係はあくまでひとつの側面に過ぎませんので、あしからず。