★ 総年俸上位5チームは、神戸、浦和、名古屋、川崎、G大阪
★ 総年俸下位5チームは、大分、仙台、湘南、鳥栖、横浜FC
★ コスパ上位5チームは、大分、広島、C大阪、川崎、仙台
★ コスパ下位5チームは、神戸、浦和、清水、名古屋、横浜FM
上位では川崎が圧倒的な強さを見せつけ、下位ではコロナの影響でJ2降格がなくなった2020年J1リーグ。各チームのお金(総年俸)と年間勝点の関係はどうだったのでしょう。年俸32.5億のイニエスタ擁するヴィッセル神戸(14位)のコスパが悪いことは想像がつきますが、もっともコスパのいいクラブ、悪いクラブはどこでしょうか。
全チーム概要
散布図でみると、やはりヴィッセル神戸が飛び抜けて総年俸が高いことがわかります。
J1でもっとも年俸をもらっているのがイニエスタ(32.5億)、2番目がフェルマーレン(5億)、3番目がジョー(4億)ですが、イニエスタとフェルマーレンが神戸に所属しており、神戸の総年俸は47億円超えです。2番目に総年俸の高い浦和(約16億)の3倍に相当します。楽天マネー恐るべし。
今回は、年間勝点あたりの総年俸(総年俸÷勝点)を算出することによって、各チームのコスパを判断してみようと思います。コスパ上位5チームは黄色で、コスパ下位5チームは水色で表示しています。
★ コスパ下位5チームは、神戸、浦和、清水、名古屋、横浜FM
★ ヴィッセル神戸は、優勝しても到底まかないきれない年俸総額
コスパのよかったチーム
もっともコスパがよかったのは大分トリニータです。大分トリニータは2019年からJ1に昇格したチームながら、2019年にはリーグ9位、2020年にはリーグ11位と、下馬評を覆す大健闘をしています。日本人選手主体のチーム運営で総年俸は3.5億とJ1の中でもっとも低いのですが、2020年も見事11位でフィニッシュしました。もっとも高い年俸が小林裕紀の2,500万円というのは驚異的です。イニエスタを1人雇うお金で小林裕紀130人雇えます。1勝点あたりの年俸は830万円という格安さで、堂々のコスパNo.1です。
つづくコスパ2位はサンフレッチェ広島です。総年俸7億弱ながら、リーグ順位は上位に食い込む8位で、オリジナル10の実力を見せつけました。サンフレッチェ広島はもっとも高い年俸が柏好文の6,500万円で、賢い運営をしています。この年、チーム最多スコアラー(15得点)のレアンドロ・ペレイラも5,000万円ですので、外国人も大当たりでした。
コスパ3位には、ここ数年調子のいいセレッソ大阪がランクインしました。キム・ジンヒョンや清武などの1億円プレーヤーを擁しながらも、リーグ4位で終え高コスパを実現しました。
コスパの悪かったチーム
では、コスパの悪いチームを見ていきましょう。コスパが最悪なのは、ご想像のとおりヴィッセル神戸です。1勝点あたりの年俸は1億円超えでダントツの低コスパです。ちなみに、ヴィッセル神戸は総年俸が高すぎるため、仮に川崎フロンターレと同じ年間勝点83を獲得していたとしても1勝点あたりの年俸は5,000万円を超え、コスパは最低となります。ヴィッセル神戸は楽天マネーを注ぎ込むことによってコスパ度外視の運営をしているため、こうしたランキングで格付けするのはナンセンスかもしれません。
ヴィッセル神戸につづくコスパの悪いチームは浦和レッズです。浦和レッズには1億円プレーヤーが4人(西川、杉本、槙野、柏木)おり、総年俸がヴィッセル神戸につづいて2番目に高いため、コスパもそれに引きづられて悪くなります。サポーターが多く、チケット収入などが潤沢でしょうから、これくらいのコスパでも運営していけるのでしょう。
3番目にコスパが悪いのは清水エスパルスです。エウシーニョをはじめとする5人のブラジル人選手に加え、鄭大世やファン・ソッコが総年俸を引き上げました。それにもかかわらず結果はビリ3です。チケット収入なども多いとは言えず、残念なチーム運営と言わざるをえません。
J1優勝賞金など
2020年のJ1リーグの優勝賞金は1億5,000万円でした。もともと3億円だったのが、コロナの影響で半分に引き下げられてこの金額です。順位にかかわらず各チームには3.5億円の均等配分金がJリーグ運営側から支払われるそうです。
この年の優勝賞金で計算すると、22回優勝すればイニエスタの年俸が支払えることになります。イニエスタ恐るべし。
なお、J1の上位4チームを対象に、「理念強化配分金」という名のボーナスがつく制度が2017年から導入されています。優勝チームは15.5億、準優勝チームは7億、という莫大な額を3年分割で手にすることができるのですが、2020年はコロナの影響でこの配分金は停止されてしまいました。J1で上位を狙うチームにとっては大きな痛手です。
ちなみにルヴァン杯の優勝賞金はもともと1.5億円でしたが、これもコロナの影響で半額の7,500万円に引き下げられました。
もちろんチーム力を決するのは、選手だけではありません。サポーター、監督をはじめとしたスタッフ陣、スポンサー企業などのさまざまな要因がチームの総合的な力を左右します。コスパを判断するといっても、総年俸と勝点の関係はあくまでひとつの側面にすぎません。あしからず。
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